「個人再生」に関するお役立ち情報
清算価値保障とは
1 個人再生後の返済額は保有財産評価額によって決まる
清算価値保障原則とは、個人再生において、債務者の方が再生計画に基づいて返済するべき金額を決めるための基準のひとつです。
個人再生後の返済額は、法律で定められた最低弁済額か、保有財産の評価額(清算価値)のいずれか高い方になります。
この原則は、債権者を保護するために設けられているものであり、破産手続きによって債権者が受け取れる金額以上の金額を、債権者が受け取れるようにするという考え方に基づいています。
したがって、個人再生をお考えの場合には、予め清算価値も算定し、再生計画後の返済が可能であるかを検討する必要があります。
2 清算価値の計算方法
清算価値は、債務者の保有する財産評価額から、一定の金額を控除して計算します。
一般的には、以下のような流れで算出されます。
まず、現金や預貯金、有価証券、自動車、保険解約返戻金、不動産などの保有財産を調査します。
各財産について、市場価格や解約返戻金の額を算定します。
抵当権など、担保権が設定されている財産については、被担保債権の残高を控除します。
また、破産手続きにおいて自由財産とされるものも控除します。
これらの計算を経て、残った金額が清算価値となります。
この額が、最低弁済基準となる金額よりも高い場合には、清算価値相当額の返済が求められます。
3 自宅を持っている場合の注意点
自宅を所有している場合、清算価値に大きく影響を与える可能性があります。
まず、住宅ローンがない場合、清算価値が多額になり、結果として個人再生が困難になることがあります。
住宅ローンの残高よりも自宅の査定額が高い場合(いわゆる、アンダーローン)にも注意が必要です。
自宅査定額と住宅ローン残高の差額が清算価値に含まれるため、返済額が大きくなる可能性がなります。
特に不動産価格が高騰している場合には、思ったよりも清算価値が高くなることがあります。
このことは、住宅資金特別条項を利用し、自宅を手放さずに個人再生を行う際も同様です。